a1180_007465

当館では珍しくない頻度で、嗅覚障害の方がいらっしゃいます。いわゆる「臭いが分からない」、という症状ですね。

鼻をつまんでコーヒを飲むところを想像していただくと、香りが分からないと味まで分からなくなることが、何となく理解できるのではないでしょうか。香りって、味の一部なんです。

実際に嗅覚障害でいらした患者さんをみてみると、本当の原因はストレスという場合がほとんどで、ストレスに付随してアレルギー反応が見られることもあります。嗅覚障害の原因は、ストレスなのです。

鼻というのは「香り・臭いを感じる」器官です。つまり「周囲の空気を感じている」のが鼻なわけです。実は嗅覚障害とは「空気=雰囲気」に対するストレスが多く、「この場を感じたくない」とか「現状がイヤだ」などというストレスを和らげるために、嗅覚の感度を下げて自分を守っているというのが原因なんですね。

もう少し実際的な例だと、

  • 会社の状況が耐えられない
  • 家族の関係が凄く嫌な感じ
  • 親戚付き合いで辛いことが待ち構えている

など、「個人の力では変え難い環境」に耐えられなくなった結果、嗅覚障害が発生すると考えられます。

そして嗅覚障害がひどくなると、味覚障害にまで発展する危険があります。嗅覚だけではなく味覚さえも失われてしまうことがあるのです。

中には、嗅覚は正常のまま味覚障害が発症する場合もありますが、この場合はストレスの種類が違うケースです。「これじゃ、やってられないな?」とか「本当にたまらない」などと考えている場合に起きやすく、味覚だけではなく舌がしびれたり、舌の動きが悪くなって喋ることがしにくくなったりする場合もあり、脳梗塞の原因になっていた恐ろしいケースもありました。

嗅覚障害や、それが進行したための味覚障害の場合、ストレスのリセットにより回復する例がほとんどですが、手遅れになる例もあります。一方、感覚器の中でも聴力と視力は回復する個人差が大きく、悪化予防にはなるけれど回復しない場合もありました。特に難聴は手遅れになるケースが非常に多い症状なので、かなり早めの治療が必要となります。

嗅覚障害、及び、味覚障害の治療をご希望される方は、お早めのご相談をお勧めします。初めは少し臭いがわかりにくいかなと感じる程度ですが、それが長く続くと器質破壊を招く恐れがあり、手遅れになるケースがあるからです。