「頑張っているんですけど」
悩んでいる男性からきいた言葉です。
頑張っているのに、あまりうまく行かない。
自分はもっと頑張るべきなのか。
そうして多くの方の場合、「もっと頑張らねば」と考えます。
さらなる努力があれば、成功に近づくはずだと思ってしまいます。
しかしその努力が負担となり、体を壊すこともあります。
努力の精神的負担で、うつ病など心の病になってしまうこともあります。
成功のためにはまず努力かといえば、けっしてそうとは言えません。
たとえば健匠館は大阪市と神戸市の間、西宮市にあります。
そこで私が神戸に行きたいのに、大阪に向かって進むのでは、神戸につくはずもありません。
実はそれと同じことをしている方が多いのですね。
どういうことかと言いますと、「目標とするモノと、その手段(努力)をまちがえている」ということです。
以前の患者さんに、「大きな安心感」をもとめて、「弁護士」をめざしている人がいました。
「弁護士をめざす」ですから、当然すさまじい努力があります。
ところが「弁護士になれば安心だ」と考えたはずなのに、弁護士になるための努力がつらく、しかもいつまでたっても安心が手にはいりません。
安心のためにしていることが、安心につながっていないのです。
健匠館で検査をしてみると、本人が求めている「安心」は弁護士になることではなく、家族と一緒にいられるという「安心」が欲しいということでした。
ということは家族、このときの場合は奥さまと一緒にいられることが「安心」をつくり、そのことを感じられるから「しあわせ」なのです。
結論として今回の場合だと、弁護士になることを目指すのではなく、ちがう仕事をさがす方がよいという結論になりました。
この結論に、ご本人はとても納得され、安心も得られたそうです。
はじめの話のように、自分が求めているものと、実際に行動していることに、ズレのあることは少なくありません。
そしてつらい努力の多くで、本人がそのズレに気づいていません。
健匠館の感情療法では、本人がめざす目標と、実際にしている行動のズレをさがすことが可能です。
神戸に行きたいのに、頑張って大阪にむかってすすんでは辛いだけですから。
あなたの辛さは、目標にむかう必要な辛さですか。
必要な辛さは仕方がありませんが、不必要ならやめたほうが「あなたの為」になりますね。