「腕が挙がらなくて、頭が洗えません」
という50代の女性がいらっしゃいました。
症状を伺うと、腕を上げようとすると肩が痛いとおっしゃいます。
そこで、
「実際に腕を動かながら、痛い箇所を指差してください」
とお願いしたところ、
実際には肩ではなく、「肩に近い腕の部分」を指さされました。
なるほど。
これは、世間一般で言われている五十肩の症状ですね。
一般的に四十肩・五十肩と呼ばれる症状は、
肩関節には問題ありません。
ちなみに西洋医学(病院)でも、現時点で原因不明です。
なのでリハビリと称しての無意味なストレッチやヘンテコな体操をさせて、
反って悪化してしまう人が跡を絶ちません。
だって、痛みが出た原因が運動不足やストレッチ不足ではないからです。
あるいは棘上筋腱石灰化症とか、腱板断裂というのは全く別の症状なので、
四十肩・五十肩とは呼ばないのです。
この症状の場合は、病院が必要です。
さて、四十肩・五十肩の起こってしまうメカニズムは、
背中の筋肉に問題があります。
腕の動きというのは、水平までは肩関節の動きでカバーできますが、
その先まで挙げようとすると、肩甲骨の動きが必要になってきます。
例えば、次のような状況を考えます。
健康な人が右手の指先で右肩を触ろうと思えば、難なく出来ると思います。
肘と手首を曲げられれば、簡単です。
ところがこれを、肘関節を曲げないようにして、
指先で肩を触ろうと頑張ってみるのです。(もちろん触るのは不可能です)
すると手首を曲げるだけで肩を触ろうとしますから、
手首ではなく、手首と肘の間(前腕)の筋肉が引っ張られすぎて、
痛みが出てくると思います。
四十肩・五十肩とは、このようなメカニズムが手首ではなく
肩関節で起きています。
上記の例で出てくる肘関節を、五十肩では肩甲骨の動きに置き換えた状態です。
四十肩・五十肩の場合、
肩甲骨周りの筋肉が硬直して肩甲骨が動かなくなっているので、
肩関節だけで腕を動かそうと無理をすると、
肩周りの腕(上腕)の筋肉が過剰に引っ張られて痛みが出るのです。
なので、症状は四十肩・五十肩と「肩」の名前が冠されていますが、
痛みが出るのは上腕であり、症状的には背中の筋肉が問題になっているのです。
ということなので、背中の筋肉がほぐれれば肩甲骨が動くようになって解決します。
なので、背中の筋肉を温めたり、マッサージをすることで、治りはしませんが有効に働くはずです。
痛い箇所をもんでも温めてもダメなんです。
そこで、どうして背中の筋肉が硬くなっているのか?
ここが問題であり、これを解決できるかどうかが
治るポイントです。
これは、やはりというか「ストレス」が原因になって筋肉を固くしているので、
当たり前ですが病院ではどうにもなりません。
正直、四十肩・五十肩に心療内科が本気を出して取り組んでくれれば、
病院でも改善の可能性があると思うのですが・・・
(病院では腰痛が治らな場合、最後には抗不安薬や抗うつ薬が処方されます)
西洋医学は検査医学ですから、数値や画像に現れない症状はまだまだ苦手です。
西洋医学では、まだまだストレスと痛みやコリとの関係を特定したり、
解消できるレベルにはありません。
しかし当館の感情療法では、これらの原因を解決します。
ストレスを特定し、心から取り除いてしまうことが可能なのです。
四十肩・五十肩の原因となっている肩甲骨周りを固定してしまうようなストレスといえば、
- 強い義務感(?ねばならない)
- 気になって仕方がない事柄
- 強烈な不安
- 自信喪失
- すごく嫌いな人と付き合わなければならない状況
などがよく見られます。
今回いらした女性の場合、ご家族に対する強烈な不安が見られました。
まずはストレスを解消したところで9割改善。
次に肩関節を微調整しました。
すると、
「腕がぐるぐる回ります!(笑」
とのことだったので、今回はとても上手くいったようです。
四十肩・五十肩の改善は、発症してからのスピートが命です。
発症してすぐだと完治率が高く、
時間が経過してしまうとそのうち痛みはなくなるのですが、
動く範囲が小さくなりがちです。
四十肩・五十肩は決して老化現象ではありません。
その証拠に時間が経てば痛みはなくなりますし、
逆に高齢者ほど発症しにくくなっています。
これは色々な人生経験から、「その人なりの悟りが開けている」からだと考えられます。
つまり、人生においての「正しい諦め方」が身についているのでしょうね。
この40代・50代という年代の方は責任重大な立場にいる方が多いため、
ストレスが強く掛かってしまうのが原因なのですね。
社会的にも責任重大な立場だったり、
お子さんの受験や就職など将来に関する問題であったり、
ご両親の世話の問題であったりで、
本当に大変なことが多い世代なんです。
もしお困りの方、この記事にピンと来た方は、
お気軽にご相談ください。
くれぐれも、早めの対処をお勧めします。